ヒアリング「NPO法人 ヘルスケア・リレーションズ」

日時:2006年1月8日
場所:新宿区

1.はじめに

ヘルスケア・リレーションズは、患者中心の参加型医療の実現を目指した調査研究を行うNPO法人です。活動の経緯、NPOとしてのウェブサイトの運用、そしてウェブのアクセシビリティ、とくに医療系NPOとしての情報提供のあり方について、副理事長・事務局長である瀬戸僚馬さんにお話を伺いました。
 
2.活動の経緯

ヘルスケア・リレーションズは、医療マーケティングの勉強会として2000 年に始まりました。5年後に特定非営利活動法人の法人格を取得したのを機に、名称を「ヘルスケア・リレーションズ」としました。

メンバーのほとんどは、病院や診療所の職員など医療の提供者で構成され、患者中心のニーズを伝えるアドボカシーだけではなく、参加型医療を医療の現場で実現していくための調査研究に比重を置くことになりました。

3.ウェブサイトの運営について

ウェブサイト開設の当初の目的は、行事の情報や入会希望者への情報提供でしたが、最近では、研究会の成果をオープンにする方針になっています。

常勤職員がいないため、いかに楽にウェブサイトを更新するかが常に課題です。1つには、フレームを使用し、ある程度統一感を保ちつつ、更新を簡単にする工夫をしています。また、CGIを加工し、パスワードを入力して編集できるページを作成したことで、更新する人が一人に偏らずに、ほかの理事も情報を書き込めるようになりました。

正会員専用サイトでは、遠方のため、なかなか研究会に参加できない会員のために、研究会の資料や映像などのコンテンツを提供しています。また、年会費無料でメーリングリストに入会できるネット会員のために、研究会の抄録をメーリングリストにも流しています。

会員同士のネット上でのコミュニケーションには、メーリングリストで対応しています。不特定多数が閲覧できる掲示板では、所属と氏名を書き込むと公的発言としてとらえられる可能性があり、発言しづらいと考えたためです。

4.医療系NPOとしての情報提供のあり方

医療系NPOがインターネットで情報発信するにあたって最も気を使うのは、情報の信頼性の担保であるといいます。医療の受け手が医療に関する情報を得る難しさを、瀬戸さんはこう語ります。

「患者さんたちが、どの情報を信じていいかわからないという場合、2つの要素があります。1つは、氾濫する情報のなかから、どれを信じていいのかという情報の選別の問題。もう1つは情報の信頼性についてです。どの団体の誰がどんな情報を発信しているのかという情報は、大変重要だと思います。」

とくに、インターネットでの情報発信では、何らかの形で信頼性を担保しなければいけないと瀬戸さんは言います。これは、医療系NPOに限らずすべての情報発信者に求められることで、どの分野のNPOのウェブサイト作成においても考慮すべき重要な点でしょう。